年齢ごとの予防
予防について、どのように考えていますか?
- 歯が痛くなったら歯医者に行けばいい。
- 子どもの歯は生え変わるから、むし歯になっても大丈夫。
このように思っている方は要注意。むし歯や歯周病は全身の健康にも影響を及ぼします。
心臓疾患や糖尿病など、重篤な病気の原因に

歯周病はこれまでお口の中だけの病気と考えられてきました。しかし、近年では歯周病が全身疾患を誘発するという研究結果が出ており、糖尿病、心疾患、誤嚥性肺炎などの重篤な病気を始め、骨粗しょう症、早産、低体重児出産などの様々な病気との関連が分かっています。
これらの病気は、歯周病の原因となる細菌や炎症物質が、お口の中の血管を通じて全身に流れ込むことで発生しています。
身体の入り口であるお口のケアを徹底することが、全身の健康を守ることに繋がるのです。
年齢や身体に合った予防ケアが大切
妊娠中

妊娠中はホルモンバランスが変わって
歯が弱くなる時期です。
つわりで歯みがきが不十分になりやすく、歯周病のリスクが特に高まります。
お母さんにむし歯や歯周病があると、赤ちゃんにまで影響が出る可能性があります。体調が安定したタイミングでご来院いただき、歯のケアを行いましょう。
また、赤ちゃんの歯は、お腹にいるときから作られ始めています。
健康な歯を育むためにも、栄養バランスのいい食事を心がけましょう。
0~1歳(歯の生え始め)

生え始めの乳歯は弱く、
むし歯にかかりやすいのが特徴です。
歯みがきは、歯が生えたら始めましょう。ガーゼを小さく切ったものを用意し、食後に歯についた汚れを優しくふき取れば十分です。味覚が発達する時期でもあるため、母乳以外の飲料、例えば加糖のジュースなど極端な甘味はできるだけ与えないほうがよいでしょう。大人が感じるような苦みを感じない時期ですので、離乳食には野菜のすりおろしなどもおすすめです。
2~3歳

乳歯が生え揃い、むし歯になりやすい時期です。
この時期こそ間食の見直しが大切です。ダラダラ食べる習慣をつけないように気をつけましょう。間食にはお口の中に長く含むアメやガムなどのお菓子は避けて、野菜スティックなどがおすすめです。
またこの時期は、大人の方の仕上げみがきが重要です。3歳になったら3歳児検診で歯の検査もあります。そこでむし歯のリスクが判明したら、当院に定期的なチェックにいらしてください。
就学時前から小学生

小学校に入る前後から、
乳歯は永久歯に生え変わり始めます。
幼稚園や保育園に行き始めると、むし歯になる機会が増えますが、「乳歯はどうせ抜けてしまうから、むし歯になっても大丈夫」という考えは間違いです。
乳歯にむし歯ができると、同じお口の中の永久歯もむし歯に感染しやすくなりますので、気をつけましょう。
ここで初めて、歯科医院で歯のみがき方の練習や、定期的なクリーニング、フッ素、シーラントなどの予防が必要となってきます。
中学~高校

歯自体は生え変わりがほとんど完了する時期です。
この時期になると、クラブや塾等で忙しくなり、歯科検診で永久歯のむし歯が見つかっても放置されやすくなります。とくに運動部でスポーツドリンクをよく摂取していると、むし歯になりやすいので注意が必要です。
そして、みがき方に差が出てくる時期だからこそ、歯科医院でのブラッシング指導が必要になってきます。歯の適切なみがき方を知らないと、思春期性の歯肉炎なども起こりやすくなります。
また、高校生の終わり頃には「親知らず」が生えてくるお子さんも出てきます。親知らずによる痛みや腫れなどを感じたら、早めにご来院ください。
大人

自分の歯を長く使っていけるように、
定期検診にご来院ください。
むし歯のチェック、歯周病チェック、セルフケアの指導から歯石除去まで、お口の健康を守るために尽力いたします。
定期検診をおすすめします

当院は担当衛生士制です。
治療前後のお口の経過を把握しやすい、むし歯や歯周病の早期発見につながるなどのメリットがあります。
「治療」が必要になってから歯医者に行く人と、「予防」のために定期的に通院する人では、歯の健康寿命に大きな差があることがわかっています。
3~6か月に1度の定期検診で、お口の中をすっきりきれいにしましょう。
定期検診で行うこと
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- 1問診・検査
- 口の状態を精密に診査するため、レントゲン撮影、お口の中の視診、歯周検査などを行います。また、患者さんのお話をお聞きして、お口全体の現状確認を行います。
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- 2クリーニング・ブラッシング指導
- 歯科衛生士が専門器材を使って「お口の大掃除」を行います。セルフケアでは落としきれない歯石や、バイオフィルムを除去していきます。
また、むし歯や歯周病のリスクを減らすためには、セルフケアの質を上げることが重要です。どの程度みがき残しがあるか歯科衛生士が確認を行い、一人ひとりのお口の状態に合ったブラッシング方法や必要なケア用品をアドバイスいたします。
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スケーリングとは? セルフケアでは落とせない歯垢や歯石などの汚れを専用の機器を使って削り落とすことです。自分ではしっかり歯をみがけていると思っていても、約40%は落としきれていないので、定期的にプロの手によって歯垢や歯石を除去する必要があります。
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PMTCとは? 専用の機器や薬剤を使い、お口の中の汚れや歯の表面をきれいにクリーニングすることです。専用の機器とプロの手によって、むし歯や歯周病菌の温床となるバイオフィルムを落としきり、歯の表面を汚れが付きにくいツルツルの状態にみがき上げます。