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震災から10年
2021年3月15日
先日、東日本大震災から10年が経ちました。
当時、大学勤務から一般開業医に転職し、毎日忙しい日々を過ごしていました。2011年3月11日あの日は突然でした。
いつも通り昼休憩を終えて、午後の診察を開始。私はちょうど患者さんの歯を削っていました。すると突然の激しい揺れ、スタッフや患者さんとただならぬ状況に、ただただ不安でしかありませんでした。マンションの1階にあった歯科医院。避難経路を確保し患者さんを1カ所に誘導しました。揺れは長く、外の電柱がグラグラ揺れているのを確認。阪神淡路大震災でマンションが倒れている映像が頭に浮かび、建物の中にいるのが安全なのか、外に出た方が良いのか正しい判断をするのが難しかったです。
強い地震のあとしばらくすると家族の事が心配になり携帯電話を片手に『冷静でいなければ』と思う自分がいました。その後16時頃、別の場所で仕事中の妻から連絡があり、無事である事がわかり一安心…。ふと自宅の状態も気になりました。当時我が家では犬(ミニチュアダックスフント)を飼っていました。先に帰った妻から犬の無事、家の無事を、聞いた時には安堵に包まれたのを思い出します。
地震直後はこのあたりも電力不足による計画停電などがありましたね。それに合わせ歯科医院も休診にすることもありました。
震災から1か月ほど経過した頃には歯科医師にもいろいろと要請がありました。歯型鑑定の依頼、身元不明遺体の鑑定協力です。また、津波から助かったけど入れ歯が流されて食事が出来ない。近隣の歯科もやってないので、日本大学松戸歯学部にある移動診療所が被災地に出向いたとも聞いています。
震災から10年
暮らしぶりは大きく変わりました。
私自身も歯科医師として出来ることが増えました。
子供が産まれ、開業し自分の医院を持ち、守るべき物が多くなった今、自分に何が出来るのか改めて考えています。