ブログ|流山市東初石・おおたかの森の歯医者|ここなつ歯科

  • アーカイブ

  • カテゴリー

妊娠中は歯がもろくなる?

2020年7月6日

ここなつ歯科のスタッフが妊娠し、当院からはじめての産休、育休を取得することになりました。つわりの間はとても辛そうでしたが、一生懸命、働いてくれました。

さて、今回は私が以前診た、妊娠中に歯がぼろぼろになってしまった患者さんについてお話しします。

妊娠前より通ってくれている患者さんで、治療した歯も少なくホワイトニング・ガムブリーチ(歯茎をきれいにする治療)なども行い、歯に関心の高い患者さんでした。定期健診もしっかりと来ていた方でしたが、ある時期よりしばらく来院が途絶えてしまいました。1年ほど経ち久しぶりに来院されたときに『子供が生れた』と、とてもうれしい報告を受けました。それと同時に口の中を診てみると、とてもきれいな歯だったのに、歯と歯茎の境目が白濁しており、全体的に初期う蝕になっていました。

さて、なぜこのようになってしまったのでしょうか。

この方は、妊娠中のつわりがひどかったとのことで、食事をとることもままならなかったと。そこで栄養をとるためにスポーツ飲料水を常に飲んでいたそうです。また、歯ブラシも口の中に入れるのがつらい状態で、歯ブラシもできなかったとのことです。

風邪や我々歯科医師の場合、抜歯後などで口が開けられず食事がとれない時など、スポーツ飲料水などで水分補給、栄養補給をすることは私もあります。

しかしスポーツ飲料水には糖分もたくさん含まれています。500㎖で35g程度入っているものもあります。それをちびちび飲んでいると、常に口の中は糖分がある状態で酸性に傾き、歯を脱灰(虫歯に)させていきます。

また、つわりで嘔吐を繰り返すと胃の酸で歯が溶けてしまうかたもいらっしゃいます。(酸蝕症)

その他、妊娠中はホルモンバランスが乱れ、歯肉炎(妊娠性歯肉炎)になりやすくなります。歯ブラシで血が出るようになったときはそのサインです。

お腹の中に新しい命を宿すことは、人生において最大の出来事のひとつです。以前もブログでお話ししたように、生まれてくる赤ちゃんのためにもお母さんのお口の健康は大切です。

ご自分で悩まず、かかりつけの歯科医師にしっかり相談しましょう。

追伸;ここなつ歯科のオープニングから当院を支えてくれたスタッフが妊娠したことに、患者さんからもうれしい言葉をかけていただき、みんなで喜んでおります。元気な赤ちゃんが生まれてくるのを楽しみにしております。