ブログ|流山市東初石・おおたかの森の歯医者|ここなつ歯科

  • アーカイブ

  • カテゴリー

冷たい物を食べると歯がしみる

2021年2月8日

冷たい飲み物やアイスなどを食べた時にキーンと歯がしみた事はありませんか?

「あれ?むし歯かな?」と思い、「歯ブラシやらなきゃ!」と一生懸命に歯磨きをすると、歯ブラシの毛先が当たって同じようにキーンとしみてびっくり!

これはむし歯?

「歯医者に行かなきゃ」と行ってみると先生に『むし歯ではありませんよ。知覚過敏ですね。』。

知覚過敏とはむし歯や歯の神経(歯髄)の炎症などの病変がない場合にみられる症状を言います。

歯の頭の部分の表面はエナメル質という硬い物質で覆われており、エナメル質は痛みを感じることはありません。エナメル質の中に少し柔らかい象牙質の層があます。象牙質は冷たいものや熱いものなどの刺激を神経に伝達する役割を担っているため、痛みを感じます。

通常、象牙質はエナメル質に覆われているので、こうした痛みを感じることはありませんが、様々な理由で象牙質が露出すると、刺激が神経に伝達されやすくなり、知覚過敏が生じるようになります。

【知覚過敏の原因】

① 歯肉の退縮

歯肉の高さは加齢とともに少しずつ下がってきます。それに伴って歯の根が露出し、象牙質がむき出しの状態になります。

② 歯の擦り減り

歯は年齢とともに擦り減っていきます(咬耗)。その結果、表面のエナメル質が少なくなり象牙質が露出することもがあります。

③ 歯が溶ける

口の中が酸性になるとエナメル質が溶け始めます(酸蝕症)。食べ物や飲み物の多くは酸性です。炭酸飲料や酸っぱい飲み物や食べ物を頻繁にかつ長時間摂取するような習慣があると歯は簡単に溶けて象牙質が露出します。

④ 歯の治療に伴う知覚過敏

むし歯が大きくエナメル質から象牙質にかけて大きな穴があいてしまった場合、金属などの詰め物をしても神経に近いのでしみてしまう場合があります。また、歯周病の治療で歯石を除去した場合も象牙質が露出し、しみる場合があります。しみるのが嫌だからといって、むし歯を放置したり歯石を取らないでいると症状が酷くなり手がつけられなくなってしまう事があるため、必ず治療をしましょう。

【知覚過敏の治療方法】

① 再石灰化を促す

軽度の知覚過敏症は期間が経過すると自然に治る事が多いです。これは唾液や歯磨き剤の成分が露出した象牙質を再石灰化し、微細な空隙が封鎖されてくるためと考えられます。

② 歯の神経の興奮を抑える

知覚過敏は歯の神経に刺激が伝わる事によりおこります。その神経をしずめて痛みを伝えないようにします。硝酸カリウムという成分を含ませた歯みがき剤を継続して使ってもらいます。

③ 象牙質の空隙を封鎖する

象牙質の内部の小さな空隙を歯に近い物質や薬剤で封鎖します。それにより歯の神経への刺激の伝達が遮断されて、知覚過敏をなくすことができます。

④ 象牙質の露出部分を被覆

削れてなくなってしまった部分を樹脂で皮膜します。

⑤ 神経を取り除く

重度の知覚過敏の場合、痛みの持続時間が長く、その痛みが非常に激しく辛い場合は歯の神経を取り除く治療をすることもあります。

【予防法】

確実な予防はかなり困難で健康な歯肉でも加齢によって退縮することは避けることができません。歯の根部の象牙質の露出を防ぐには、歯周病の予防に努めることと、歯肉の退縮が進まないよう間違った歯磨き方をしないことです。また歯垢が付着した状態が長く続けば、歯の表面が酸により溶けて、知覚過敏が起きやすくなります。

知覚過敏の予防はむし歯予防、歯周病予防と同じように早めの治療と正しい歯磨きで行うことができます。

歯がしみるのは知覚過敏の可能性が高いですが、適切な治療で症状が軽く比較的早く治癒する事が多いのでご相談ください。