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むし歯や歯周病の遺伝
2020年2月3日
こんにちは。ここなつ歯科です。
今日は節分。豆まきの準備は出来てますか?お父さん、鬼役の準備は出来てますか?昨日、うちのマンションでは全身黒タイツにアフロヘアで鬼の仮面をつけたお父さんが、家に入るタイミングを見計らってスタンバイしていました。世の中のお父さんは大変です。今では恵方巻きを食べるのも習慣になってきていますね。
さて、今回のテーマは「むし歯や歯周病に遺伝はあるか?」です。皆さんどう思いますか?
そもそも、お口の中には500〜900種類の常在菌がいると言われています。そうです。誰でも口の中に細菌がいるのです。その中で虫歯菌が多い人、歯周病菌が多い人、また、それぞれの菌が活動する場所があるか無いかによって、その人の口の中が決まります。
産まれたての赤ちゃんは無菌の状態です。成長とともに色々な菌と接して免疫力がついてきます。口の中ももちろん無菌の状態で産まれてきます。そこに接触の多い親御さんの菌、同じ食器を使ったり、スプーン・箸を使ったりなどでお子さんの口の中の菌が決まってきます。
また、例えばお母さんが間食の多い人だとします。お母さんがお菓子を食べる時にお子さんも一緒に欲しがって食べるでしょう。そうすると口の中が常に酸性に傾き、むし歯になりやすい環境になります。
歯ブラシをあまりしないご家庭では、いくらお子さんに「歯を磨きなさい」と言っても、ご家族でその習慣がないと子供も歯ブラシをしません。歯ブラシをすることは楽しいのだよ、とお子さんと一緒に歯を磨きましょう。
このように同じ時間を長く過ごす人、同じ生活習慣を送っている人と口の中は似通ってきます。
つまり虫歯や歯周病に遺伝があるわけでは無いのですが、親御さんに虫歯が多い人はお子さんも虫歯が多いことがあります。
お子さんの口の中を守るにはまず、親御さんの口の中をキレイにしましょう。
特にお母さんは出産後、子育てに追われ自分のことは後回しになってしまいます。まずは出産前に出来ること、むし歯があればむし歯の治療はもちろん歯のクリーニングもしっかりやっておきましょう。そして子供が生まれてからも一緒に通える歯医者さんを見つけられると良いですね。
お子さんと一緒に楽しく歯医者さんに通って予防をしていきましょう。
虫歯の治療方法 自然界に存在するフッ素
2020年1月28日
虫歯の治療方法
ムシ歯の治療は大きく分けて、歯の神経に到達しているか否かで治療方法が変わります。
比較的初期のムシ歯で、神経にムシ歯が到達していない場合は、ムシ歯になってしまった歯質を専用のタービンという器具で削り取ります。タービンはキーンと大きな音がなり、歯科治療が苦手になる原因の1つだという方が多くいます。ここなつ歯科では減速タービンと言うものを使用し、なるべく音や振動が少なくてすむよう治療しています。
ムシ歯になってしまった部分は残念ながらムシ歯を取る方法しか治療法がありません。ムシ歯の部分を取り除いたらレジンと言われる樹脂で詰めたり、型をとり金属の詰め物を入れます。
小さなムシ歯の場合は樹脂を使った処置が一般的ですが、ムシ歯が大きかったり、範囲が広い場合には樹脂ではなく金属で対応することがほとんどです。
保健の治療では金属の詰め物(銀歯)になってしまいますが、自費の詰め物で白くしなやかな詰め物を入れる事が出来ます。自費と言うとかなり高いイメージを持つ方が多いと思いますが、費用を抑えた治療方法もありますので歯科医師と良く相談し治療方法を決めましょう。
自然界に存在するフッ素
以前、フッ素についてお話ししましたが、市販されているフッ素剤の他に自然界にもフッ素が存在しているのはご存知ですか?
販売されているフッ素入り歯磨き剤のフッ素含有量は300〜1500ppmですが、沼や川にも0.05〜2.0ppmほど含まれており、月の土にもフッ素が含まれているそうです。
濃度が高いフッ素は私達が口にする食べ物にも含まれています。比較的多く含まれている食材は食塩、魚介類、乳製品ですが、なかでもずば抜けて含有量が多いのが緑茶です。
緑茶の葉そのもののフッ素含有量は200〜400ppmと高く、抽出したお茶でも0.5〜2.0ppmとなかなかのものです。
市販のフッ素剤に比べれば濃度は低いですが、食事の際の飲み物をジュースから緑茶に変えてムシ歯予防をしてみましょう。
むし歯とは
2020年1月20日
むし歯の原因
甘い物を食べるとむし歯になると言いますが、本当にそうなのでしょうか?
むし歯はムシ歯菌(ミュータンス菌)が食物の糖分を取り込んで作り出した酸によって、歯の表面のエナメル質を溶かしてしまうことから始まります。
糖分が含まれているのは甘い物だけなのでしょうか?例えばお米やパン、麺類などの穀類、芋、大豆、野菜にも糖分が含まれています。
つまり、甘い物は食べないのでムシ歯にはならない、と言うことはないのです。
昔から「食べたら歯を磨く」と良く言いますが、食べたら歯を磨くのはムシ歯の予防にとても大切なことなのです。
むし歯の進行
むし歯の進行度合いはC1〜C4に分類されます
C1(う蝕第1度)初期ムシ歯
歯の表面のエナメル質が脱灰(歯が溶ける)状態で、痛みは感じません。歯の表面が 白くガサガサした状態になったり、茶色く変色したりします。
C2(う蝕第2度)中等度ムシ歯
エナメル質の中にある柔らかい歯質、象牙質まで進行し、穴があいている状態で痛みを伴います。特に冷たいものや甘い物を食べたり飲んだりすると歯がしみます。
C3(う蝕第3度)
むし歯で出来た穴が大きく、そして深くなって象牙質の全てに及び、歯髄(歯の神経)まで達する深在性むし歯です。
歯髄が感染し炎症を起こすと、とても激しい痛みを伴ます。
C4(う蝕第4度)歯の崩壊
歯の頭が崩れてしまい根っこだけが残った状態です。
根だけになってしまう状態が長いと歯髄が侵され、顎の骨まで炎症が広がります。
歯髄が炎症により壊死してしまうことが多く痛みが楽になり放置してしまう人がいます。
むし歯の治療
C1〜C2のむし歯は比較的簡単な処置で治すことが出来き一回の治療で終わる事がほとんどです。
C3のむし歯は歯髄(歯の神経)が無事かどうかで治療の流れが大きく変わります。
歯髄に問題がなければムシ歯の部分を削り、詰め物をしてむし歯を治します。歯髄に炎症がある場合は神経を取る処置(根の治療)をしてから被せ物をするので治療の回数が増えます。
C4は歯の大部分が崩壊して無くなってしまっている状態なので歯が残せるか、残せないかを審査し、処置を行います。歯が残せると判断した場合は根の治療から始めて被せ物をします。残念ながら残せないと判断した場合は歯を抜く処置を行います。
むし歯は出来てから進行するまでに時間があります。初期むし歯の段階で治療をすと治療回数も侵襲も少なくてすみます。
定期的な検診でむし歯の早期発見、早期治療を心がけましょう。
歯を磨くタイミング
2020年1月12日
みなさん、歯はいつ磨いてますか?「食後は歯を磨きましょう」と子供のころに習ったかたも多いかと思います。そもそも、歯を磨くとは何をしているのでしょう?
「食後は歯を磨きましょう」と子供のころに習ったかたも多いかと思います。そもそも、歯を磨くとは何をしているのでしょう?
もう一つ子供の頃に言われたこと。「外から帰ったら手洗い、うがいをしましょう」と習いましたよね。これは何をしているのですか?そうです。風邪をひいたりしないように、ばい菌を落としているのです。
つまり歯ブラシも食べカスを取るのはもちろんですが、口の中の細菌を減らすためにしているのです。口の中には誰しも500~900種類の常在菌がいます。
これらの菌が活発に活動するのはどういう時だと思いますか?これは唾液の量が少ないときに活発な活動をします。
では、唾液が少ない時間とはいつだと思いますか?そう、寝ているときです。食事をしているとき、起きているときは刺激を受け唾液が分泌されます。寝ているときは唾液分泌量が減り、口の中の細菌は活発に活動するのです。
そのように考えていくと、おのずと歯ブラシをいつするのが有効か分かってきますね。
そう、一日の中で最も重要なのは、寝る前と朝起きてすぐに磨くのが大切なのです。
夕食後、歯ブラシをした後、コーヒーを飲んだりしていませんか?朝ご飯を抜いたとき、最初に歯ブラシをするのが、昼食後になっていませんか?
日本では「1日3回、食後は歯を磨きましょう」と習いますが、国によってこの風習が違います。
歯ブラシは朝と夜にするもので、食後はトゥースピック(爪楊枝のような物)を用いて食べカスを取ると教育される国もあります。
だからといって食後は歯を磨かなくても良いとは思いません。もちろんそれは続けてもらい、特に寝る前と朝起きたときは念入りに磨いていただけると虫歯、歯周予防につながると思います。
是非、皆さんの生活にも取り入れてみてください。
余談ではありますが、先ほど唾液が少ないとむし歯になりやすいと説明しましたが、昼間口をポカンと開けてテレビを見ていたり、年齢とともに唾液の量が減ってくると、同じくむし歯や歯周病になりやすくなります。気になる方はかかりつけの歯科医に相談してみて下さい。
子供のフッ素、大人のフッ素
2020年1月5日
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
さて今回は、フッ素についてお話していきたいと思います。
フッ素の効果
フッ素は歯に良いと言われますが何故フッ素が良いのか知っていますか?
フッ素には大きく3つの働きがあります。
①歯質の強化
②歯の再石灰化
③ムシ歯の抑制
①の歯質の強化とは、歯の表面のエナメル質にフッ素が入り込み歯を強くしてくれます。
②の歯の再石灰化とは、ムシ歯菌が出す酸で歯のカルシウムやリンが溶けてしまった歯の表面に硬い組織を作ります。
③のムシ歯菌の抑制は、ムシ歯菌が作り出す酸を抑えます。
この作用が複雑に働きムシ歯を抑制してくれます。日々の歯ブラシにフッ素が含まれた歯磨剤を使う事がおすすめです。また、フッ素の濃度も重要ですので購入する際にはフッ素濃度にも注目して下さい。
フッ素の濃度
フッ素の濃度ですが、一般的な歯磨剤等に含まれるフッ素の濃度は500〜1500ppmです。フッ素の濃度が高い方が、効果が高いと言われていますが、年齢やお口の環境によって濃度を選択します。
6歳以下のお子さんにはフッ素濃度が1000ppm以下の物を使います。小さなお子さんの場合、フッ素濃度が高い物を長期間過剰に摂取するとフッ素症という歯の表面に白い不透明斑が現れる事もあります。このような症状を防ぐためにも自分に合ったフッ素濃度の歯磨剤等を選ぶ必要があります。
また、フッ素は長時間、歯にとどませることが効果的な使い方です。正しい濃度、正しい使い方を歯科医師、歯科衛生士から指導を受けましょう。
大人のフッ素
フッ素は子供のムシ歯予防と思われている方が多いのですが、大人のムシ歯予防にも効果があります。年齢を重ねる事により歯茎が下がり歯の根が露出する事があります。歯の頭の部分の表面はエナメル質という硬い物質で構成されていますが、歯の根元は象牙質という柔らかい物質で出来ています。エナメル質に比べて象牙質は柔らかいためムシ歯になりやすく、ムシ歯になると進行も早いのが特徴です。
そんな大人ムシ歯を防ぐためにもフッ素は効果的です。
お子さんのフッ素と同じように大人も上手にフッ素を取り入れましょう。
インフルエンザ予防歯磨き
2019年12月23日
今年もインフルエンザが大流行していますね。我が家の子は2回目のインフルエンザワクチンの予防摂取をワクチンが不足しているため断られてしまいました。
インフルエンザの予防方法といえば手洗い・うがい・マスクの着用が推奨されています。それ以外にも、体の抵抗力を強くするために充分な栄養と睡眠を取ることも大切です。また、不用意に人混みに近づかない事もひとつですね。
そんな予防法の新たな1つとして歯の治療、お口の清掃が推奨されはじめています。
口の中の細菌はプロテアーゼ、ノイラミニダーゼという酵素をつくります。プロテアーゼ、ノイラミニダーゼはインフルエンザウイルスが体内に侵入するのを容易にしてしまいます。
お口の清掃状態が不良で細菌が増殖しているとインフルエンザウイルスが体内に侵入しやすくなり、発症しやすくなってしまいまうという事です。
実際に、介護施設や学校で歯科衛生士による歯磨き指導を行ったところ、9割程度インフルエンザの発症を抑えられたという報告もあります。
では、インフルエンザ予防に効果的な歯磨きとはどのようなものなのでしょうか。
① 就寝前の歯磨き
就寝時は唾液量が減少し細菌が繁殖しやすくなるため、歯ブラシだけではなく、歯間ブラシや洗口剤なども併用して口の中の菌が少ない状態を作りましょう。
② 起床時の歯磨き
寝ている間は唾液量が減少するため、細菌が増殖しやすくなります。歯磨きをしないまま朝食を食べると、食べ物と一緒にウイルスや細菌を体の中に入れてしまう危険性があります。
③ 頬っぺたや舌も清潔に保つ
細菌は歯だけではなくお口全体に生息しています。歯を磨くだけでなく、舌もブラシで軽く磨き、洗口剤などで頬っぺたに付いた細菌も洗い流しましょう。
④ 歯ブラシの交換は1か月に1回程度に
お口の汚れを落とすのが目的である歯ブラシは不潔になりやすく、管理方法次第では菌の温床になってしまいます。定期的な歯ブラシ交換と使用後はしっかりと乾かす事が重要です。
お口の中を清潔に保つ事はムシ歯の予防だけでなく全身の健康を守る事につながります。
ぜひ実践してみてください。
子供の歯磨き
2019年12月20日
乳幼児の歯磨き
「歯ブラシはいつから始めれば良いですか?」という質問をされる事が多くあります。歯ブラシは歯が生えたら始めて頂きたいところですが、嫌がってバタバタ動く小さな赤ちゃんを押さえつけて口を開けるのは無理があります。赤ちゃんの口の中は唾液が多くムシ歯のリスクは低いので、軽くガーゼで拭う程度でも大丈夫です。離乳食が始まりいろいろな食べ物が口に入るようになると歯ブラシで磨く事も必要になります。歯みがきの仕方がわからない、怖いという方は一度ご相談下さい。
子供の歯ブラシの選び方
子供の歯ブラシの選び方について、小さなお子さんの歯ブラシはどのように選んでいますか?歯が生え始め離乳食が始まると歯ブラシの必要性が出てきます。子供用の歯ブラシは、成長に合わせた物が販売されています。年齢に合わせた歯ブラシを選択する事が重要ですが、前にお話ししたように歯の生え方には、個人差があります。今使っている歯ブラシがお子さんに合っているのか?心配な方はご相談下さい。お口の成長に合わせた歯ブラシを選択します。
小さなお子さんの歯磨き
歩き始めは子供の歯ブラシって大変じゃないですか?一生懸命に磨こうとしてもバタバタと走り回ってしまい、捕まえて磨こうとしてもまた逃げて…。押さえつけてゴシゴシ磨いてしまうとお子さんはますます嫌がって歯ブラシが嫌いになってしまいます。歯ブラシを持って歩き回ってしまうお子さんは転んだりぶつけたりして大変な危険を伴いますので、グリップの部分が柔らかく、くわえて歩いても安全な歯ブラシを選びましょう。また、一歳くらいのお子さんはお母さんの真似をするのが大好きです。お母さんが楽しく歯ブラシで歯を磨くところを見せると真似して磨くようになります。お風呂の湯船に浸かりながら楽しく愉快に磨くのも効果的です。大変な子育ての毎日ですが歯ブラシも楽しく取り入れてみて下さい。
当院には毎週火曜日、大学病院から小児歯科の先生が来てくれています。お子さんの歯で悩み事、分からないことなどありましたら、ご相談ください。
歯の生える時期
2019年12月16日
歯の生える時期 初めて育児をしていると子供の歯がいつ生えてくるのかとても気になりますね。多くの赤ちゃんは下の前歯から生え始めます。早く生える子は4ヶ月くらいから、一般的には5〜6ヶ月に生えてくると言われています。
ネットなどで簡単に調べる事ができる今の時代、ウチの子は歯が生えるのが遅い?と心配するお母さんもたくさんいる事でしょう。しかし、歯の生える時期にはかなり個人差があるのでそこまで気にする事はありません。
1歳近くなっても歯が1本も生えてこない場合にはいちど専門家に診てもらうことも有効かと思います。
歯の生える時期ついてお話ししましたが、これは本当に個人差が大きいです。多くの場合、下の前歯から生えてくることが多いのですが、上の前歯が生えてきたり、下の真ん中から2番目のはが生えてくる子もいます。
歯の生える順番をそこまで気にする必要は無いのですが、将来的に生えてくる歯の本数が少ないこともあります。
心配な場合はかかりつけ歯科医院で一度ご相談下さい。