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歯の痛み
2020年3月18日
歯の痛みに襲われると食事が取れなくなったり、酷い場合は夜も眠れず何日もくるしむことがあります。そもそも何故歯は痛くなるのでしょうか?
歯が痛くなる1番の原因はムシ歯です。
ムシ歯は硬い組織であるエナメル質から徐々に進行し、柔らかい組織である象牙質に到達します。象牙質は象牙細管という細い隙間が空いており、外部の刺激を歯の中の神経に伝える構造になっています。この時点のムシ歯で甘い物を食べた時、冷たいものを飲んだ時に痛みを感じるのはその為です。
さらにムシ歯が進行し、神経までたっするとダイレクトに外部刺激が伝わるようになり猛烈な痛みを伴います。この状態が、痛み止めも効かず、どこが痛いか分からないぐらいの痛み(放散痛)を生じます。歯の痛みで一番痛い痛みです。
しばらくすると外部の刺激に神経が負けてしまい壊死(腐る)してしまいます。壊死した神経は痛みを感じる事が出来ませんので痛みは楽になり、治ったと思ってしまう方もいるかもしれません。しかし、壊死した神経を放置し治療を行わないでいると、歯の中で感染を引き起こし歯の根を侵襲していきます。やがて感染が広がり歯の根の周囲に炎症が広がり(根尖性歯周炎)腫れをともなった痛みとなって襲いかかります。歯ぐきが腫れるだけで無く場合によっては顔面が腫れてしまうこともあり、発熱を起こすこともあります。
さらに放置すると歯自体を残すことが困難になり、抜歯しなくてはいけません。ムシ歯で歯を抜かなくてはいけなくなる時は、このように長いこと放置した結果が多いです。
また、歯の痛みはムシ歯の痛みだけでなく、歯周病が進んだ歯は歯茎の損傷、歯が動く事による痛みを伴います。
その他、顎関節症などの口を動かす筋肉の痛み、歯の周りにある神経の痛み(知覚過敏)、歯が原因では無い痛みなどがあります。病的な事が何もないにもかかわらず歯が痛いと感じてしまう心因性の痛みもあります。
歯が痛いといっても様々な原因、段階がありますので少しでも痛みを感じたら放置する事なくご相談下さい。
コロナウィルス感染予防対策
2020年3月6日
いろいろなところでコロナウィルスの影響が出ていますが、皆さんも対応に追われて大変かと思います。
そこで当院での対策のご紹介です。
当院では院内に入ってすぐのところに手指のアルコール消毒を設置しております。ご来院の際はご使用下さい。
また、パウダールームを設けており、うがいも出来るよう紙コップも常備しています。診療前後の手洗いうがいもおすすめしております。
空気清浄機や加湿器も設置しております。
当院は国で定められた
院内感染防止策の施設基準(歯初診)
を満たしています。
1.口腔内で使用する歯科医療機器等について、患者ごとの交換や専用の機器を用いた洗浄・滅菌処理を徹底する等十分な院内感染防止策をこうじていること。
2.感染症患者に対する歯科診療に対応する体制を確保していること。
3.歯科外来診療の院内感染防止策にかかる研修を4年に1回以上、定期的に受講している常勤の歯科医師が1名以上配置されていること。
4.年に1回、院内感染対策の実施状況などについて、地方厚生局長に報告をしていること。
上記を満たしています。
その他、
患者さんの不安や緊張、ストレスなどによって、治療中に体調が悪くなるなど、万一の緊急事態が起こった場合に対応できる施設基準(外来環)
も満たしており、この基準の中に「歯科用吸引装置などにより、歯科ユニット(診療台)毎に歯牙の切削や義歯の調整、歯の被せ物の調整時などに飛散する細かな物質を吸収できる環境」という項目があります。
当院ではこの口腔外バキュージュを各ユニット(診療台)に設置しているため、削りかすなどが周りに飛び散らないようにすることで院内の空気をきれいに保ち、飛沫感染への予防にもつとめています。
診療後のユニット(診療台)の消毒や手すり等の消毒も心がけています。
皆さんに安心して治療を受けてもらえるようつとめておりますので、気になることがあればお申し付け下さい。
口臭の原因・治療
2020年2月26日
口臭の原因は4つに分けられます。
1.口の中の原因
歯周病、ムシ歯、不良補綴物(隙間の空いた被せ物や段差のある詰め物)、口の乾燥、清掃不良など。
なかでも口臭に1番関連が深いのが歯周病です。歯周病により深くなった歯周ポケットの中は細菌の格好の住みかになります。細菌の中でも歯周ポケット内に潜む嫌気性菌は代謝の過程で硫化水素やメチルメルカプタンを産生し、強烈な臭いを発生させます。
2.全身疾患
呼吸器系、消化器系、耳鼻咽喉系、咽頭、気管支、肺のカンジタ感染、糖尿病、肝硬変、肝臓癌など。
それぞれの疾患には特異的な臭いがあり、専門医は嗅ぎ分けられると言われています。
3.食餌性
ニンニク、ニラ、ネギ、らっきょうなどの臭いの強いも、アルコールや喫煙、コーヒーなどの嗜好品は胃の中で消化され血液を介して全身に循環し肺を経由して吐き出され強い臭いを発します。
4.生理的口臭
朝起床時や空腹時、ホルモンバランス、成長期などに発します。
口臭は健康のバロメーターになります。
生理的な口臭もあるので、あまり神経質になる必要はありませんが、お口の中に問題が多くある場合、解決する事が出来ます。あまり悩まずご相談下さい。
では口からくる口臭はどのように治療していくのでしょうか。
まずは歯周病の治療を行います。歯の周りに付着した歯石を除去し、歯茎の炎症をおさえます。重度の歯周病の場合は1度に歯石を除去して終わりというわけには行きません。歯の上に着いた歯石を除去した後に麻酔をして歯茎の中に付着した歯石を除去します。それでも改善が見られない場合は外科処置をすることもあります。
歯石を除去し炎症が治まったからと言って今までと同じ清掃状態では同じ事の繰り返しになってしまいます。そこで、歯科衛生士や歯科医師が正しい歯磨きのやり方を指導します。歯周病は生活習慣病ともいわれ、日々の自分の努力が重要になります。
歯周病治療と並行してムシ歯や不適合な被せ物の治療を行い、汚れが溜まりにくいお口の中を作っていく事も重要です。
お口の乾燥も口臭の原因にもなりますので、口腔乾燥に対する治療や、お口がポカンと空いてしまうような方にはお口周りの筋肉を鍛えてお口を閉じる訓練をします。
口臭の原因が口の中のトラブルの場合はこのような治療で改善する事がほとんどですが、口臭が強い方は口の中の問題だけではなく、全身状態も関係してくる事が多いため簡単にとは行きません。
原因となる事を1つずつ潰していく事が重要です。
気になる事は1人で悩まずご相談ください。
神経に到達したムシ歯の治療
2020年2月17日
こんにちは、ここなつ歯科です。
今日はとても暖かいですね。春一番も吹くとか。花粉も飛び始めているようで皆さん、対策は大丈夫でしょうか?
さて、今日は神経に到達したむし歯の治療の話です。
残念ながらムシ歯が大きく、歯の神経(歯髄)に到達してしまった場合は神経をとる処置をする必要があります。
神経をとる際はまず歯に局所麻酔をします。
歯科の局所麻酔は苦手な方が多いと思います。ここなつ歯科では麻酔時の痛みを出来るだけ軽減するために、いくつか工夫しています。注射の痛みは大きく分けて二つ。針を刺すときの痛みと、中の液つまり異物(麻酔薬)が体の中に入るときの痛みです。そこで針を刺すときの痛みを軽減するために、表面麻酔を塗ります。口の中の粘膜の表面をしびれさせることで針の痛みを軽減させます。また、針を通常より細い物を使っています。細くすることで刺すときの痛みが少し減ります。次に異物が入る時の痛みに対してです。これは一気に力強く入れると痛みが強く出ます。出来るだけゆっくりと一定の速度で入れることで痛みを減らすことが出来ます。そこで、ここなつ歯科では電動の注入器を使って、一定の速度でゆっくりと入れていきます。従来の麻酔に比べ、痛みの度合いはかなり少なくなります。
麻酔後、麻酔がしっかりと効くのを待ち、痛みを感じない事を確認したらムシ歯の部分を削り歯の神経を細い針のような器具を使って抜いていきます。その後感染してしまっている部分などを綺麗に清掃します。感染の度合いにもよりますが根の治療には3~4回の通院が必要になります。
歯の神経が入っていた部分はかなり狭く肉眼で確認するのは不可能に近く、器具を入れる感覚で治療していきます。ここなつ歯科ではより正確に治療が行えるようマイクロスコープ(顕微鏡)を使い、見える治療をしています。その他にも歯の根の長さを図る機械、歯の根の中を超音波の振動で綺麗にする器具などを使用し、よりよい根の治療を行います。
歯の根の中の感染を除去したら防腐剤をしっかりと詰めて被せ物の処置に移行します。
歯の根の治療には回数がかかるので面倒だと考えられる方も多いですが、複雑な歯の根の治療は歯を長持ちさせるために大変重要です。
わからない事は歯科医師にご相談下さい。
むし歯や歯周病の遺伝
2020年2月3日
こんにちは。ここなつ歯科です。
今日は節分。豆まきの準備は出来てますか?お父さん、鬼役の準備は出来てますか?昨日、うちのマンションでは全身黒タイツにアフロヘアで鬼の仮面をつけたお父さんが、家に入るタイミングを見計らってスタンバイしていました。世の中のお父さんは大変です。今では恵方巻きを食べるのも習慣になってきていますね。
さて、今回のテーマは「むし歯や歯周病に遺伝はあるか?」です。皆さんどう思いますか?
そもそも、お口の中には500〜900種類の常在菌がいると言われています。そうです。誰でも口の中に細菌がいるのです。その中で虫歯菌が多い人、歯周病菌が多い人、また、それぞれの菌が活動する場所があるか無いかによって、その人の口の中が決まります。
産まれたての赤ちゃんは無菌の状態です。成長とともに色々な菌と接して免疫力がついてきます。口の中ももちろん無菌の状態で産まれてきます。そこに接触の多い親御さんの菌、同じ食器を使ったり、スプーン・箸を使ったりなどでお子さんの口の中の菌が決まってきます。
また、例えばお母さんが間食の多い人だとします。お母さんがお菓子を食べる時にお子さんも一緒に欲しがって食べるでしょう。そうすると口の中が常に酸性に傾き、むし歯になりやすい環境になります。
歯ブラシをあまりしないご家庭では、いくらお子さんに「歯を磨きなさい」と言っても、ご家族でその習慣がないと子供も歯ブラシをしません。歯ブラシをすることは楽しいのだよ、とお子さんと一緒に歯を磨きましょう。
このように同じ時間を長く過ごす人、同じ生活習慣を送っている人と口の中は似通ってきます。
つまり虫歯や歯周病に遺伝があるわけでは無いのですが、親御さんに虫歯が多い人はお子さんも虫歯が多いことがあります。
お子さんの口の中を守るにはまず、親御さんの口の中をキレイにしましょう。
特にお母さんは出産後、子育てに追われ自分のことは後回しになってしまいます。まずは出産前に出来ること、むし歯があればむし歯の治療はもちろん歯のクリーニングもしっかりやっておきましょう。そして子供が生まれてからも一緒に通える歯医者さんを見つけられると良いですね。
お子さんと一緒に楽しく歯医者さんに通って予防をしていきましょう。
虫歯の治療方法 自然界に存在するフッ素
2020年1月28日
虫歯の治療方法
ムシ歯の治療は大きく分けて、歯の神経に到達しているか否かで治療方法が変わります。
比較的初期のムシ歯で、神経にムシ歯が到達していない場合は、ムシ歯になってしまった歯質を専用のタービンという器具で削り取ります。タービンはキーンと大きな音がなり、歯科治療が苦手になる原因の1つだという方が多くいます。ここなつ歯科では減速タービンと言うものを使用し、なるべく音や振動が少なくてすむよう治療しています。

ムシ歯になってしまった部分は残念ながらムシ歯を取る方法しか治療法がありません。ムシ歯の部分を取り除いたらレジンと言われる樹脂で詰めたり、型をとり金属の詰め物を入れます。
小さなムシ歯の場合は樹脂を使った処置が一般的ですが、ムシ歯が大きかったり、範囲が広い場合には樹脂ではなく金属で対応することがほとんどです。
保健の治療では金属の詰め物(銀歯)になってしまいますが、自費の詰め物で白くしなやかな詰め物を入れる事が出来ます。自費と言うとかなり高いイメージを持つ方が多いと思いますが、費用を抑えた治療方法もありますので歯科医師と良く相談し治療方法を決めましょう。
自然界に存在するフッ素
以前、フッ素についてお話ししましたが、市販されているフッ素剤の他に自然界にもフッ素が存在しているのはご存知ですか?
販売されているフッ素入り歯磨き剤のフッ素含有量は300〜1500ppmですが、沼や川にも0.05〜2.0ppmほど含まれており、月の土にもフッ素が含まれているそうです。
濃度が高いフッ素は私達が口にする食べ物にも含まれています。比較的多く含まれている食材は食塩、魚介類、乳製品ですが、なかでもずば抜けて含有量が多いのが緑茶です。
緑茶の葉そのもののフッ素含有量は200〜400ppmと高く、抽出したお茶でも0.5〜2.0ppmとなかなかのものです。
市販のフッ素剤に比べれば濃度は低いですが、食事の際の飲み物をジュースから緑茶に変えてムシ歯予防をしてみましょう。
むし歯とは
2020年1月20日
むし歯の原因
甘い物を食べるとむし歯になると言いますが、本当にそうなのでしょうか?
むし歯はムシ歯菌(ミュータンス菌)が食物の糖分を取り込んで作り出した酸によって、歯の表面のエナメル質を溶かしてしまうことから始まります。
糖分が含まれているのは甘い物だけなのでしょうか?例えばお米やパン、麺類などの穀類、芋、大豆、野菜にも糖分が含まれています。
つまり、甘い物は食べないのでムシ歯にはならない、と言うことはないのです。
昔から「食べたら歯を磨く」と良く言いますが、食べたら歯を磨くのはムシ歯の予防にとても大切なことなのです。

むし歯の進行
むし歯の進行度合いはC1〜C4に分類されます
C1(う蝕第1度)初期ムシ歯
歯の表面のエナメル質が脱灰(歯が溶ける)状態で、痛みは感じません。歯の表面が 白くガサガサした状態になったり、茶色く変色したりします。
C2(う蝕第2度)中等度ムシ歯
エナメル質の中にある柔らかい歯質、象牙質まで進行し、穴があいている状態で痛みを伴います。特に冷たいものや甘い物を食べたり飲んだりすると歯がしみます。
C3(う蝕第3度)
むし歯で出来た穴が大きく、そして深くなって象牙質の全てに及び、歯髄(歯の神経)まで達する深在性むし歯です。
歯髄が感染し炎症を起こすと、とても激しい痛みを伴ます。
C4(う蝕第4度)歯の崩壊
歯の頭が崩れてしまい根っこだけが残った状態です。
根だけになってしまう状態が長いと歯髄が侵され、顎の骨まで炎症が広がります。
歯髄が炎症により壊死してしまうことが多く痛みが楽になり放置してしまう人がいます。
むし歯の治療
C1〜C2のむし歯は比較的簡単な処置で治すことが出来き一回の治療で終わる事がほとんどです。
C3のむし歯は歯髄(歯の神経)が無事かどうかで治療の流れが大きく変わります。
歯髄に問題がなければムシ歯の部分を削り、詰め物をしてむし歯を治します。歯髄に炎症がある場合は神経を取る処置(根の治療)をしてから被せ物をするので治療の回数が増えます。
C4は歯の大部分が崩壊して無くなってしまっている状態なので歯が残せるか、残せないかを審査し、処置を行います。歯が残せると判断した場合は根の治療から始めて被せ物をします。残念ながら残せないと判断した場合は歯を抜く処置を行います。
むし歯は出来てから進行するまでに時間があります。初期むし歯の段階で治療をすと治療回数も侵襲も少なくてすみます。
定期的な検診でむし歯の早期発見、早期治療を心がけましょう。
歯を磨くタイミング
2020年1月12日
みなさん、歯はいつ磨いてますか?「食後は歯を磨きましょう」と子供のころに習ったかたも多いかと思います。そもそも、歯を磨くとは何をしているのでしょう?
「食後は歯を磨きましょう」と子供のころに習ったかたも多いかと思います。そもそも、歯を磨くとは何をしているのでしょう?
もう一つ子供の頃に言われたこと。「外から帰ったら手洗い、うがいをしましょう」と習いましたよね。これは何をしているのですか?そうです。風邪をひいたりしないように、ばい菌を落としているのです。
つまり歯ブラシも食べカスを取るのはもちろんですが、口の中の細菌を減らすためにしているのです。口の中には誰しも500~900種類の常在菌がいます。
これらの菌が活発に活動するのはどういう時だと思いますか?これは唾液の量が少ないときに活発な活動をします。
では、唾液が少ない時間とはいつだと思いますか?そう、寝ているときです。食事をしているとき、起きているときは刺激を受け唾液が分泌されます。寝ているときは唾液分泌量が減り、口の中の細菌は活発に活動するのです。
そのように考えていくと、おのずと歯ブラシをいつするのが有効か分かってきますね。
そう、一日の中で最も重要なのは、寝る前と朝起きてすぐに磨くのが大切なのです。
夕食後、歯ブラシをした後、コーヒーを飲んだりしていませんか?朝ご飯を抜いたとき、最初に歯ブラシをするのが、昼食後になっていませんか?
日本では「1日3回、食後は歯を磨きましょう」と習いますが、国によってこの風習が違います。
歯ブラシは朝と夜にするもので、食後はトゥースピック(爪楊枝のような物)を用いて食べカスを取ると教育される国もあります。
だからといって食後は歯を磨かなくても良いとは思いません。もちろんそれは続けてもらい、特に寝る前と朝起きたときは念入りに磨いていただけると虫歯、歯周予防につながると思います。
是非、皆さんの生活にも取り入れてみてください。
余談ではありますが、先ほど唾液が少ないとむし歯になりやすいと説明しましたが、昼間口をポカンと開けてテレビを見ていたり、年齢とともに唾液の量が減ってくると、同じくむし歯や歯周病になりやすくなります。気になる方はかかりつけの歯科医に相談してみて下さい。
子供のフッ素、大人のフッ素
2020年1月5日
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
さて今回は、フッ素についてお話していきたいと思います。
フッ素の効果
フッ素は歯に良いと言われますが何故フッ素が良いのか知っていますか?
フッ素には大きく3つの働きがあります。
①歯質の強化
②歯の再石灰化
③ムシ歯の抑制
①の歯質の強化とは、歯の表面のエナメル質にフッ素が入り込み歯を強くしてくれます。
②の歯の再石灰化とは、ムシ歯菌が出す酸で歯のカルシウムやリンが溶けてしまった歯の表面に硬い組織を作ります。
③のムシ歯菌の抑制は、ムシ歯菌が作り出す酸を抑えます。
この作用が複雑に働きムシ歯を抑制してくれます。日々の歯ブラシにフッ素が含まれた歯磨剤を使う事がおすすめです。また、フッ素の濃度も重要ですので購入する際にはフッ素濃度にも注目して下さい。

フッ素の濃度
フッ素の濃度ですが、一般的な歯磨剤等に含まれるフッ素の濃度は500〜1500ppmです。フッ素の濃度が高い方が、効果が高いと言われていますが、年齢やお口の環境によって濃度を選択します。
6歳以下のお子さんにはフッ素濃度が1000ppm以下の物を使います。小さなお子さんの場合、フッ素濃度が高い物を長期間過剰に摂取するとフッ素症という歯の表面に白い不透明斑が現れる事もあります。このような症状を防ぐためにも自分に合ったフッ素濃度の歯磨剤等を選ぶ必要があります。
また、フッ素は長時間、歯にとどませることが効果的な使い方です。正しい濃度、正しい使い方を歯科医師、歯科衛生士から指導を受けましょう。
大人のフッ素
フッ素は子供のムシ歯予防と思われている方が多いのですが、大人のムシ歯予防にも効果があります。年齢を重ねる事により歯茎が下がり歯の根が露出する事があります。歯の頭の部分の表面はエナメル質という硬い物質で構成されていますが、歯の根元は象牙質という柔らかい物質で出来ています。エナメル質に比べて象牙質は柔らかいためムシ歯になりやすく、ムシ歯になると進行も早いのが特徴です。
そんな大人ムシ歯を防ぐためにもフッ素は効果的です。
お子さんのフッ素と同じように大人も上手にフッ素を取り入れましょう。
インフルエンザ予防歯磨き
2019年12月23日
今年もインフルエンザが大流行していますね。我が家の子は2回目のインフルエンザワクチンの予防摂取をワクチンが不足しているため断られてしまいました。
インフルエンザの予防方法といえば手洗い・うがい・マスクの着用が推奨されています。それ以外にも、体の抵抗力を強くするために充分な栄養と睡眠を取ることも大切です。また、不用意に人混みに近づかない事もひとつですね。
そんな予防法の新たな1つとして歯の治療、お口の清掃が推奨されはじめています。

口の中の細菌はプロテアーゼ、ノイラミニダーゼという酵素をつくります。プロテアーゼ、ノイラミニダーゼはインフルエンザウイルスが体内に侵入するのを容易にしてしまいます。
お口の清掃状態が不良で細菌が増殖しているとインフルエンザウイルスが体内に侵入しやすくなり、発症しやすくなってしまいまうという事です。
実際に、介護施設や学校で歯科衛生士による歯磨き指導を行ったところ、9割程度インフルエンザの発症を抑えられたという報告もあります。
では、インフルエンザ予防に効果的な歯磨きとはどのようなものなのでしょうか。
① 就寝前の歯磨き
就寝時は唾液量が減少し細菌が繁殖しやすくなるため、歯ブラシだけではなく、歯間ブラシや洗口剤なども併用して口の中の菌が少ない状態を作りましょう。
② 起床時の歯磨き
寝ている間は唾液量が減少するため、細菌が増殖しやすくなります。歯磨きをしないまま朝食を食べると、食べ物と一緒にウイルスや細菌を体の中に入れてしまう危険性があります。
③ 頬っぺたや舌も清潔に保つ
細菌は歯だけではなくお口全体に生息しています。歯を磨くだけでなく、舌もブラシで軽く磨き、洗口剤などで頬っぺたに付いた細菌も洗い流しましょう。
④ 歯ブラシの交換は1か月に1回程度に
お口の汚れを落とすのが目的である歯ブラシは不潔になりやすく、管理方法次第では菌の温床になってしまいます。定期的な歯ブラシ交換と使用後はしっかりと乾かす事が重要です。
お口の中を清潔に保つ事はムシ歯の予防だけでなく全身の健康を守る事につながります。
ぜひ実践してみてください。